狂犬病予防って必要なの?-2016.5.13更新-
この時期の動物病院は特に大忙し!
込み合う待合室…経験のある方はお分かりですよね?
日々の急患対応に加えて、現在は予防強化期間です。
予防強化しているもの、それは「フィラリア症」と「狂犬病」。
フィラリアとは蚊が媒介する寄生虫。
感染すると、心臓(肺動脈)に成虫は寄生し、心臓病、肝臓病、腎臓病など、いろんな病気を引き起こし、重篤な場合は死に至る恐ろしい病気。飼養環境近くに山林や水路が有る場合は特に毎年の予防は必須です! 本格的な蚊の発生が始まる5月頃には予防開始をしましょう。
続いて狂犬病ですが、皆さんどこまでご存知ですか?
狂犬病は「犬」という文字が入っていますが、人を含めた全ての哺乳類に感染する恐れがある「人獣共通感染症」の1つ。
発症すればほぼ致死に至る大変恐ろしい病気です。
第二次世界大戦後の日本では年間で約1000頭の感染が確認されるほど多発し、撲滅させるために1950年「狂犬病予防法」が制定されました。
1956年に国内完全撲滅が成功し、発生ゼロは現在も続いています。
この現状を知ると、
「ずっと発症していないし、ウチは室内飼いだし、予防しなくていいのでは?」
と多くの方が思うようですが、狂犬病予防法で定める、
「犬を飼養する者は毎年1回の予防接種をしなければならない」
という狂犬病の予防接種は犬の飼い主の法定義務であるため、飼い主に接種するしないの選択権は無く、接種しなければなりません。
接種義務違反をした場合は、20万円以下の罰金となります。
国内から狂犬病が完全に撲滅してから今年で60年。
世界でも数ヵ国しかない狂犬病清浄国を維持させるために、飼い主としての責務を果たしましょう!