ペット産業は1兆4千億円規模!②-2015.1.9更新-
前回の続きになりますが、ペット産業は大きく分けて①フード②用品③生体④関連サービス⑤動物病院の5業種が大きな規模で市場を動かしています。その中でも今後は①、④、⑤の業種の伸びが期待されているのですが、それぞれの内容を考えてみたいと思います。
〈ペットフード部門〉
「景気が良くなったら大型犬の飼養が増える」と言われていますが、2014年になってもまだまだその傾向はなく、むしろ日本では小型犬ブームが根強過ぎて大型犬に関する物がなかなか売れません。フードでいえば10キログラム以上の大袋フードです。体重10キログラム未満のペットがほとんどを占めるため、フードサイズも3キログラムサイズくらいまでの商品が市場に出回っています。小袋は大袋よりも割高なので、消費量は少なくても単価はそこそこが確保でき、メーカーも小型犬中心の商品ラインナップになっています。
また、数年前からの「自然食ブーム」が現在も進行形で、人間の食品基準に限りなく近いペットフードも人気。「無添加・無着色・防腐剤不使用」のペットフードが一般的なフードに比べて価格が3倍近く違っても売り上げを伸ばしているのが実情で、ペットの家族化がより進化していることが伺えます。
〈関連サービス部門〉
トリミングを中心としたこの部門。ペットブームにより犬猫もサロンに連れていくという考えがほぼ定着しつつある中で、ただシャンプーするカットするだけでは満足しない顧客も増えてきました。オゾンなどの殺菌作用のあるシャワーを使ったり、皮膚や被毛のケアに泥パックなどのエステ用品を導入したり、日頃なかなか手入れが出来ないデンタルケアを取り入れたりと、トリミング業界も顧客満足を得るためさまざまなサービスを展開しています。顧客も満足しかつ売り上げも上がる。いい流れですね。
〈動物病院部門〉
ペット産業全体の30%以上の売り上げを上げる部門。ペットも長寿高齢化のため、必然的に必要とされる部門です。全体的な新規生体飼養者が減少傾向にあるものの、今飼養しているペットを家族の一員として大切に扱う飼い主も増えているため、早期治療や予防など、飼い主と病院との関係は今後もますます深まるでしょう。
次回は「日本におけるペット数」を中心にお話します。