犬の妊娠と出産(2)「出産の心得 (中編)」-2012.3.9更新-
犬の出産は人と比べれば簡単なものと考えられがちでありますが、いろいろと心得ていないと「こんなはずじゃなかった…」ということになりかねません。ということで、今回も「出産の心得」を続けていきたいと思います。
★【心得2】 愛犬の体が出産に適しているかを確認★
メスであれば基本的にお母さんになることは可能です。もちろん避妊をしているメスはお母さんにはなれませんが…。ブリーディング(交配〜出産〜育成)は基本的に専門的な知識をもったプロが行う事が良しとされています。
「一度は出産させてやりたい」とか「この子の子が欲しい」という安易な考えだけで出産をさせてしまうと、生まれてくる子や出産する母体に何かしらのデメリットがある場合がありますので、出産をお考えでしたら、愛犬の体が出産に適しているかどうかを獣医師とともに確認後、交配の計画を立ててください。
遺伝性疾患のある子の出産はその疾患が遺伝し易かったり、人気のプードルなどでは交配相手の毛色次第でいわゆる「ミスカラー」が出やすかったりもしますので、犬種に応じたブリーディング知識をつけ、愛犬の出産適応能力も判断してから計画を立てるようにしましょう。
★【心得3】 予想以上の数が誕生することも覚悟の上!★
工業製品なら個数で注文が出来ますが、ヒトと違って犬の出産では何頭出産するのかが分かりにくい場合がほとんどです。産まれてくる子犬が全て幸せになれるよう、誕生前から飼い主さん候補を見つけてあげましょう。
たとえ候補が4名居て、誕生が2頭であってもそれは仕方のないことですので、候補者にその旨を伝えれば理解してくださると思います。ポイントは「ちょっと多めに候補者を募ること」です。直前のキャンセルもありますから。動物取扱業の「販売」登録をしていない方の有償譲渡(いわゆる金銭等授受販売)は法律で禁止されていますので、登録の無い方は「無償譲渡(無料で差し上げる)」ようにしてください。ワクチン代や血統書代などの「実費」に関しては請求しても構いません。あくまでも譲渡までに「かかった費用」を請求するに留まってくださいね。
次回で心得は最後になります。お見逃しなく!