犬の去勢と避妊(6)「去勢&避妊、させませんでした」-2012.1.13更新-
【ケース1】持病があるので手術のリスクを考えると…
去勢・避妊を検討していても手術前の健康診断でドクターストップがかかる場合もあります。手術は全身麻酔ですので、持病や投薬中の薬との相性もあります。獣医師の判断に委ねましょう。
【ケース2】特に問題を感じないのでしていません
このケースの飼い主さんが殆どでしょうね。健康体にメスを入れることに抵抗を感じる方も多いはずです。時代と共に去勢・避妊の理解が深まってきていると言えども「可哀そうな気がする」という気持ちも理解できます。将来的に起因する病気を発症したとしても「それもこの子の運命」と割り切ることが出来れば無理に去勢・避妊をする必要はないと私自身は考えています。
【ケース3】将来パパorママにならせてあげたいので…
去勢・避妊をしてしまうと病気発症のリスクは軽減されますが、同時にパパやママになれなくなります。少しでも愛犬の家族形成をお考えの場合はじっくり考えてからの決断でも遅くは無いと思います。
【ケース4】性格が変わってしまう可能性があるので…
噛み癖のある子や凶暴な子が去勢・避妊によりおとなしくなったという事は良く聞きます。しかしながら、性格に問題の無かった子が去勢・避妊で性格に問題が出たという事も聞きます。特にオスの去勢は性格が変わりやすいので性格に問題があって困っている方は性格改善のために去勢を検討してみてはと思います。
ペットショップの現場にいるとこの去勢・避妊についての相談は良く受けます。そのたびに私は「愛犬が、もしも去勢・避妊をしなかったことで早くに亡くなったとしたらあなたはどう思うでしょうか?」と問います。要するにどれだけ「悔やまれる」かどうかです。私はメス犬を2匹飼っていますが、どちらも避妊はしていません。もしものことがあっても【ケース2】で述べた通り、私はそれはその子の運命だと思えるからです。飼い主さんによって考え方は様々でしょうから、あくまでも一個人の意見として参考にしてください。
シリーズでお伝えをしてきた「去勢・避妊」はこれにておしまいです。次回からは「犬の出産」についてお伝えしたいと思います。