あなぶき・きなりの家 株式会社　建築実例詳細　　非日常を日常にする 湖畔の住まい

　街の喧騒を離れて車を走らせ、坂道を進んだ先に広がる大きな湖。水面が光を受けてきらきらと輝き、対岸の森から鳥のさえずりが聞こえる。街なかのマンション住まいだったＹさまは、たまたま近くのカフェを訪れた際にここに売地があるのを見つけ、「こんな素晴らしい土地に出会ってしまったからには、もう運命だと思って」新築住み替えを決めたという。
　設計の軸となるのはもちろん湖の風景。水回りを２階に上げ、１階は眺望を楽しみながらくつろぐ空間に徹することとした。大きな窓に面して設けたカウンターは、どんなカフェにも勝る特等席。カウンターの天板の素材は、当初は一般的な集成材の予定だったが「ここは、やはりメインの見せ場だから」と、設計士が自ら材木店に足を運んで無垢の一枚板を手に入れてきたという。
　２階にある浴室は、人目を気にせず湖に向かって窓を開く。夜勤明けで帰宅するご主人は「明るい時間に、景色を眺めながらゆっくり湯につかれるのが最高ですね」とにっこり。「家にいるだけで、毎日がリゾートのよう。ここに家を建てられて本当に良かったです」と、奥さまも心から満足そうに語っていた。