あなぶき・きなりの家 株式会社　建築実例詳細　　絶景と心地よさを取り込む 唯一無二の豊かな空間

　景観をひと目見て「ここがいい」とご夫婦が直感した、山中に開かれた土地。ご夫婦も設計士も迷わず選んだのは、豊かな緑と市街を一望できる北端の区画だった。南西には道路、南東には隣家との条件から導き出されたのは、開口を北西に設けるプラン。ダウンフロアのリビングの北西２面に、吹き抜けの天井高最大までわたる大開口を設置。緑と空の大パノラマが、この家の一部であるかのように広がる様は圧巻だ。一方、南の採光は抑え、居心地のよさを実現した。
　空間に変化を生むため、半独立型のキッチンは斜めに配置。北西の斜辺に窓を設けた和室や、PCカウンターのある中２階からも景観を楽しめる。寝室以外は全て壁の上部を開け、軒先まで視線が抜けるつくりに。眺望や風を取り入れるため、外構はあえて植栽を控えめにした。
　「機能面はもちろん、景色や風の恵みという目に見えないものが、形になっていることに感動した」とご夫婦。設計の全てに意味を持たせた住まいは、家族の豊かな暮らしを育んでいる。