きなりの家 株式会社　建築実例詳細　　湖畔の恵みが暮らしを彩るレイクサイドハウス

　運命の出会いというのは、いつどこでやってくるか分からない。ここはもともとご主人が趣味を楽しみに訪れていた湖のほとり。家を建てることになったのは、いつものように釣りを楽しんだ帰り道、偶然空き地を見つけたのがきっかけだった。造成は進んでいるが、聞けば、まだ住み手は決まっていないという。「いい場所があればそのうちに…」と思いはじめて、はや5 年。こんなチャンスは二度とやってこないと決意した。当然家は、湖のロケーションを生かした設計に。南北に視界が抜ける玄関アプローチと、広々とした屋根つきのウッドデッキ、リビングの大開口。さらに、やや段上がりになったDK からその奥に続く主寝室、そしてバスルームも、穏やかな湖面を望めるようにプランニングされた。庭はたいてい家の敷地にあるものだが、ここはあたかも“庭の中”に家が建っているかのようだ。四季を彩るヤマボウシやモミジといった木々たちは、背面の森の緑と同じ風にそよぎ、なだらかな斜面として造園された芝敷きの地面は、さりげなく周囲の自然に溶け込んでいく。そこに切り取られた風景に、内や外の区別もない。湖さえ、まるで自分たちだけのもののように思えてくるから不思議なものだ。デッキとリビングの間境で読書にふける奥さまを背に、ご主人と5歳の長男が湖に向かって釣り竿を垂らす。2 歳上の長女はその傍らで、絵本の世界に入り込む。湖畔の窓辺に映るその穏やかな風景の中に、かけがえのない家族の時間が刻まれていく。