あなぶき・きなりの家 株式会社　建築実例詳細　　時と共に味わいが深まる 自然の恩恵を宿した住まい

新緑が彩る緑化屋根、南向きに大きく開かれた窓からほどよく注ぐ光と風、太陽熱を利用した蓄熱床暖房のぬくもり。１年を通して自然の恵みを存分に享受できる住まい。Ｓさまご夫婦と「きなりの家」との出会いは、約20年前に遡る。当時、この地にあったご主人の実家で家族と共に暮らしていたお二人が、たまたま訪れたのが同社のコンセプトハウスだった。そこで、「自然と共生しながら、１００年以上住み継いでいける家をつくる」という職人達の信念や情熱に惚れ込み、古くなっていた実家の建て替えを即決した。設計では、各部屋をゆるやかにつなぐスキップフロア構造を採用。１階のリビングは、中２階との天井高を生かした開放的な雰囲気。床に大理石、壁には漆喰、柱や天井は無垢の木を使用するなど、自然素材に囲まれた空間はすがすがしい空気が満ちる。深く伸びた庇の先に広がる庭風景にも心が和む。エントランスには、ご主人の要望で巨大な天然石が据えられた。職人の技と感性で、リビングからも暖炉を挟んで岩肌が見えるダイナミックな空間をつくり上げた。暮らし始めて17年。「手入れをしながら、次の世代へ住み継いでもらえたら嬉しいです」と奥さま。歳月を重ねても古さを感じさせることなく、むしろ味わいと愛着が深まっていく。