あなぶき・きなりの家 株式会社　建築実例詳細　　変わらぬ思想を今に伝える 自然と共生のパッシブ...

　１９９８年の創建以来、自然と共存する快適な暮らしを提唱してきた「きなりの家」。省エネルギー・長寿命化をメインテーマにしたコンセプトハウスは、年月を経た現代においてもまったく色褪せることなく、変わらぬ思想を今に伝え続けている。季節ごとに変化する太陽の日射を、さまざななカタチでパッシブ（受動的）に利用するパッシブソーラーシステムは、真の快適を作り出す普遍のテクノロジー。冬場は南面の大きな窓から太陽熱を集め、床下に設えた18ｃｍの蓄熱コンクリート層に蓄える。石積みの壁や土間の洗い出しコンクリートも木造建築の熱容量を高める役目を果たし、蓄熱された熱は輻射熱として室内に遠赤外線効果をもたらし、身体の芯から温めてくれる。熟練の大工が組み上げた「木」の家を断熱材でくるむ外断熱は、構造躯体を守るのはもちろん、蓄えられた太陽熱を外部にもらさず熱容量の大きな建物を造り出すことにもつながっている。夏は深い軒によって上からの日射しを遮断。南の地窓から北の吹き抜けを通って最上階北の天窓へ抜けるよう風通しも確保し、熱の出入りをコントロールしている。自然の恵みを享受し、ともに暮らす喜び。時代が変わっても普遍の「豊かさ」が、ここにある。