株式会社 なんば建築工房　建築実例詳細　　昔と今の暮らしが息づく場所

　日本の伝統的な和の佇まい。澄んだ青空に焼き板と漆喰が映えるこの家は、まさに古き良き日本を体現している。
　古典的な和を好むＫさまのため、「なんば建築工房」は「座の生活」をテーマにした空間を提案した。キッチンとリビングとで床の高さを変え、間に造作のダイニングテーブルを置くことで、リビング側では座卓に、キッチン側では椅子に腰掛けるスタイルとした。正座など床に座ることの多かった昔ながらの「床座」と、現代の暮らしに合わせた「椅子座」とが融合したカタチだ。
　間取りは、玄関内の土間収納からキッチン、リビングへと回遊できる動線を配した。墨モルタルのキッチンの床、昔の土間の台所が思い浮かぶ。だが、かつてのような暗い炊事場と重ならないのは、吹き抜けからの光がキッチンにも行き届くため。Ｋさまから全幅の信頼を寄せられていた同社は、職人の技を結集し、伝統美と機能美に満ちた空間に仕上げた。
　時代や生活スタイルによって変化するキッチン。昔と今の暮らしが考えられたこの場所に、自然とご家族が集い、和やかな談笑のひと時が紡がれていく。