株式会社 なんば建築工房　建築実例詳細　　繊細な木製格子が彩る 機能美に満つ現代町屋

　昔ながらの町並みが残る地に立つＹさま邸。辺りが夕闇に包まれる頃、木製格子の間から漏れる温かな光が昼間とは違った表情を見せている。
　「生まれ育った場所で親孝行をしたい」との思いを抱いていたＹさまは、祖父の土地に二世帯住宅を建てることを決意。その思いを託したのは、日本の気候風土を生かした伝統的な家づくりと、自社大工の技術力に惚れ込んだ「なんば建築工房」だった。プランは古くからある井戸を囲むようなコの字型の間取りで、１階を親世帯、２階をＹさまご夫婦が暮らせる住まいに。特に家の顔となる玄関には職人による緻密な手仕事によって和の意匠が盛り込まれ、式台から框、下駄箱までケヤキで統一された風格ある空間にあつらえた。また、車通りの多い道路に接していることから、玄関とリビングの間に通り土間を設け、外部からの視線を緩やかに遮った。高齢の両親は、バリアフリーによる生活のしやすさと自然素材の心地よさに大満足しているそうで、Ｙさまご夫婦も日々喜びを噛みしめているという。