KNOT 株式会社 押田建設　建築実例詳細　　内なる豊かさを生む 開放と閉鎖の対比

　吹き抜けの南全面をガラス張りにしたリビングは、息をのむような大迫力。空間を構成するラインは一切の無駄がなく、視線は気持ちよく空へと抜けていく。吹き抜けにはシンプルなオープン階段が架けられ、２階から南の窓に向かって、広々とした風景を眺めながら下りてくるという演出が成されている。一方で進入路側の西面は、すぐ向かいに学校が立つこともあり、徹底してクローズに。窓はもちろんわずかな換気口さえもこの面にはつくらず、フラットな塗り壁の美しさだけで魅せる。
　こうした住まいのイメージの多くは当初からご主人の中に理想として描かれていたものであり、家づくりはこれを現実と擦り合わせつつ、全体の調和を図ってカタチにしていく作業となった。「設計の押田さんは、私のやりたいことを本当に理解した上で、しないほうが良いことはきちんと説明して、より良い方法を提案してくださいました」とご主人。打ち合わせが進むほどに設計士の感性に深く信頼を寄せ、最終的にはすっかりお任せすることで望んでいた以上の住まいとなった。