KNOT 株式会社 押田建設　建築実例詳細　　引き算の美学で生まれた 余白を愉しむ住まい

　白壁やグレーのタイル、木目を基調にしたミニマルな室内空間。そこにハンス・J・ウェグナー「Yチェア」やジョージ・ネルソン「バブルランプ」などの名作家具や照明、植物が調和し、洗練されながらもあたたかい空気感を与えている。引き算の美学で生まれた住まいは、陰影や素材のディテールまでも表情豊かに感じられ、たっぷりと残した余白がご夫婦の感性をさりげなく引き立てる。リビングは床を下げたことで心理的な落ち着きが生まれ、吹き抜けの開放感がより感じられるようになった。１階に廊下と主寝室を介した回遊動線を設けたのも特徴的で、玄関、クローゼット、水回りが並ぶ一本の廊下は身支度や洗濯作業がしやすい機能性を備えている。主寝室はキッチンと直結させたことで朝夕の時間を無駄なく過ごせるほか、将来的には自由度の高い部屋として、LDKに寄り添った白く明るい空間に仕上げた。「選び抜いた好きな物に囲まれて、すっきりと暮らしたい」と話すご夫婦は、静謐な暮らしの器を自分たちらしく、上手に住みこなしている。