木造ホーム 株式会社 小川建美　建築実例詳細　　窓の外にみずから描く 緑あふれる森の風景

　高い吹き抜けの上からダイナミックに降りてくる勾配天井の先。左右に引き分けた窓いっぱいに、みずみずしい緑が映る。たくさんの木々が枝葉を茂らせて光をキラキラと透かし、芝生に木陰を落とす。「森の中にいるように暮らせたら」、まさにそのМさまの思いをかなえた風景が、窓の外につくられている。
　一方、庭側から室内を眺めたときの美しい空間の広がりも、この家の大きな見せ場。リビングを見下ろす吹き抜け上に、サブリビングとして広いホールを設け、上下階にわたる立体的なくつろぎの場所をつくっている。デッキの辺りからの目線で全体が最もきれいに見えるよう、Мさまとスタッフは現場で、ホール床面の高さや窓のサイズ、手すりの位置まで入念に調整したという。
　自邸で過ごす休日、暇さえあればご主人は庭仕事にいそしみ、奥さまは家じゅうを見渡しては、住まいがさらにすてきに整うよう考えをめぐらせる。デッキと庭はすっかりリビングの延長という感覚で、庭先に出て食事をするのも日常なのだとか。家にいるだけで時間は穏やかに過ぎていき、住まうことそのものを、ご夫婦共にのんびりと楽しんでいる。