木造ホーム 株式会社 小川建美　建築実例詳細　　端正な空間にポップな差し色の映える家

　おさまりのいい真四角の空間は、どこにいても等しく室内を見渡せ、その度に心地よい満足感に包まれる。あたたかみと気品を併せ持つネシアチークの床に、ウォルナットのキャビネット、ステンレスのキッチンなど、ベースの部分は上質な素材感で魅せるシンプルなつくり。それでいてインテリアの印象は軽やかで、どこか楽しげな音色を奏でる。そんな独特のこの家らしさを生み出しているのは、奥さまの選んだ、豊かな色彩とデザイン性をもつファニチャー類だ。例えばダイニングには、１脚ずつカラーの違うイームズのシェルチェアに、ルイス・ポールセンのペンダントをふたつ。名品と呼ばれるデザイナーズアイテムが、ＬＤＫ全体にポップな彩りを添えている。奥さまはもとより家具や照明に関心が高く、日頃からアンテナを張ってたくさんの「いいもの」「好きなもの」をキャッチ。プランニングはすなわちこれらアイテムやイメージの断片をつなぎ合わせ、ひとつにまとめあげていく作業となった。中でもコーディネーターの役割は大きく、「自分たちには思いも寄らない提案も、できあがってみるとすべてがしっくりまとまっていて、『ああ、こういうことだったのか』って」…と、ご夫婦はプロの知識と想像力の豊かさにすっかり感銘を受ける。気持ちよさそうに床をはう娘さんは、住まいの完成と同時に産まれたのだとか。この先ずっと一緒に育っていける喜びを、日々の風景の中に感じて暮らしていけることだろう。