ALOHA&STYLE Inc./ 西部建設 株式会社　建築実例詳細　　暮らしへの想いを　未来...

　もともと築50年の日本家屋だったと聞いてもすぐにはなかなか信じられない、完璧なまでのハワイアンフォルム。けれど室内をゆっくりと巡り歩くうち、この家に確かな日本家屋の面影が残されていることに気づく。大叔母から譲り受けたこの家も既に築50年。建て替えの選択肢もなかったわけではない。けれどここには、日々の暮らしを悠々と楽しんだ大叔母の思い出が無数に刻まれている――そう思うと、とても取り壊してしまうことはできなかった。ハワイアンハウスへのリノベーションに舵を切ったのは、「好奇心旺盛で、海外の暮らしにあこがれ続けた大叔母ならきっと喜んでくれるだろう」と思ったからだ。使い勝手の悪い小部屋は壁を排して広いＬＤＫにつくり変え、旧縁側の先にはプランテーションハウスの象徴、ウッドテラスを増設。恵まれた敷地を活用してキッチン北側に建屋を広げ、憧れだった防音ルームやゲストルームも実現した。経年の傷みが目立つ壁や天井はすべて張り替え、建具も一新。もはや新築と言っても過言ではない、現代の暮らしにフィットする快適空間に生まれ変わった。それでもそこに今なお大叔母の気配が漂うのは、ＬＤＫに食い込むように配された和室に、その南手に縁側の趣を残すほどよい空間に、かつての間取りが生かされているから。「新しいけど、懐かしい」と口をそろえるなじみの来客たちの言葉にふわりと湧き上がる幸福感を、きっと大叔母もどこかで感じてくれているだろう。