エクステリアにこだわって、家づくりをもっと素敵にしよう
室内と同じくらいこだわりたいのが、家まわりの「エクステリア」。アウトドアリビングやサンルームなど、外の暮らしを楽しむための中間的な領域もあります。テラスやパーゴラに屋外用のテーブルセットを置いて、家族がゆったりとした時間を過ごすなど、「インテリア」と同様の感覚でつくり上げていくのがおすすめです。
“暮らしをイメージしたゾーニング”
エクステリア計画は、施主とプロのスタッフによる協同作業。まずは、実現したい暮らしやデザインをイメージし、必要な機能や条件を予め把握すること。希望条件が出揃ったら、優先順位をつけて、最終的なプランを詰めていきましょう。
ゾーニングとは
エクステリア計画は、まず、敷地全体をいくつかのゾーンに分けて考えることが大切。ゾーン分けの考え方には、さまざまな分類方法がありますが、下記の分類が一般的です。
「ファサード ゾーン」…門まわりを中心とした、住まいの正面
「プライベート ゾーン」…テラスや庭など、家族が暮らしを楽しむゾーン
「ヤード ゾーン」 …車庫や物干し、物置などの機能を集約したゾーン
実際の物件では、車庫まわりが「ヤード ゾーン」ではなく「ファサード ゾーン」や「プライベート ゾーン」に入るケースもあります。上に挙げたものはあくまで標準的な分類になります。目安としてとらえてください。
~ワンポイント~
その空間をどんな用途に使いたいのか、何が必要か、どんなデザインでまとめたいのかを、まとめておきましょう。
例)庭でバーベキューをしたり、わいわい楽しく過ごしたい
静かに、ゆったりくつろげる場にしたい… etc.
“オープンデザインとクローズデザイン”
エクステリアデザインのスタイルは、開放感重視の「オープン デザイン」、プライバシーやセキュリティー重視の「クローズ デザイン」、両者の良さを取り入れた「セミオープン(セミクローズ)デザイン」の三つに分けられます。
開放感重視の オープンデザイン
道路との境界を塀や柵などで仕切らないスタイル。一般的に、玄関までのアプローチの途中に門扉を設けず、表札、ポスト、インターホンなど必要最低限の機能を持たせた門柱などで構成されます。
プライバシー重視の クローズデザイン
道路に接している部分や隣地境界部など、門柱、門扉、塀や生垣などで敷地の外周すべてを閉じるスタイル。近隣を気にせず、庭でプライベートな時間を、ゆっくり過ごしたい場合などに有効。また、安全・防犯対策がとりやすいというメリットも。
開放感とプライバシー セミオープンデザイン
開放感と、プライバシーやセキュリティーといった、「オープン」「クローズ」両方の良さを取り入れたスタイル。実際の物件には、完全なオープンや完全なクローズは比較的少なく、多くのエクステリアが、このタイプに分類されます。
~ワンポイント~
オープンデザインは、植物を多用するなど街並みへの配慮や、防犯性・プライバシーの確保がポイントです。
最も一般的なセミオープンデザインには、駐車スペースをオープンにし、敷地の外周をフェンスや低めの塀で軽く囲うといった手法もあります。
“車の寸法と駐車方法や安全確保”
車庫まわりのエクステリア計画のポイントは、まず第一に、安全に車を出し入れできること。そして、室内からの眺望にも配慮しながら、住まいの外観を美しく見せる車庫位置を見つけましょう。余裕があれば、敷地内で自由に車を回せる動線も考えてみると、暮らし始めてからの利便性がアップします。
出入庫とファサードデザインをシュミレーション
最低限必要なのは、車のサイズ+乗り降りや荷物を出し入れするスペース。しかし、楽に車の出し入れができるよう余裕を見ておくことが必要です。車を買い替えたり、台数が増える可能性も考慮しましょう。 どんな駐車方法(道路に対して直角・平行等)を選ぶかで、道路から見た住まいの印象も変わります。
★並列駐車(直角)
2台とも楽に出し入れできます。そのかわりファサードゾーンは圧迫されます。
★縦列駐車(直角)
手前に通勤用、奥に休日用といった使い方が考えられます。ファサードゾーンには余裕ができます。
★直角+平行駐車
2台目または来客用を、ファサードゾーンにまたがるように配置するパターン。
建物や庭との位置関係も考えましょう
たとえば、1階居室の窓を開けると至近距離に車がきてしまうといった状態を避けるには、建物に対して斜めに駐車するなど、ちょっとした調整で室内からの眺めがぐんと良くなります。
買ってきた園芸用品や日曜大工の資材を庭に持ち込む、物置のバーベキューセットを庭に運ぶ、外へ持ち出すといった具体的なケースを想定しながら、なるべくスムーズに車の動線が確保できる位置関係を探しましょう。
“プライバシーとデザインテイスト”
門まわりは住まいの顔。建物や近隣との調和を図りながら、必要なセキュリティーとプライバシーを確保しましょう。さらに自分らしさを表現するためには、素材やデザインの選定はもちろん、植物などを効果的に使ったトータルな演出が効果的です。
近隣との調和を意識して
門まわりは、デザインテイストや色調・素材など、建物とのコーディネートはもちろん、街並みの一部を形成しているという視点も大切。環境との調和を考慮しましょう。塀の色など、あまり奇抜で周囲から浮いた印象になるものは避けるのがよいでしょう。
デザインテイストと素材
門袖壁や門柱は、デザインテイストだけでなく素材や仕上げについても、その一部を建物の外壁に合わせると、デザインが調和します。
~主な素材のポイント~
★コンクリートブロック
…化粧ブロック以外の場合、タイル貼り、石貼り、塗り壁仕上げなどの仕上げが必要です。
★レンガ
…カラーバリエーションも豊富で、コーディネートの幅も多彩。ヨーロッパサイズ、オーストラリアサイズなど寸法の違いに注意。
★コンクリート打ちっ放し
…クールな表情がシンプルモダン系の建物に調和します。ただし、工期は他のものより長め。
★門扉
…軽量で直線的なデザインのアルミ、適度な重量感と曲線表現が可能なアルミ鋳物、重厚感と装飾性が魅力の鋳物鉄(ロートアイアン)など。
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