岡山の女性建築士に聞いた「すっきり暮らすための収納術」
家の要望として多くの人が挙げる「収納」。でも、ただ収納がたくさんあればいいの?数々の収納のお悩みを解決してきた女性建築士に、後悔しないために押さえておきたい収納プランのポイントを聞いた。アイデア実例も紹介するので、ぜひ参考にしてみて。
お話を伺ったのは
株式会社 木絆
一級建築士 守屋 知香さん
家事動線、使い勝手を考えた女性目線での提案、アドバイスが好評。
(ステップハウス.JPでチェック>>株式会社 木絆)
収納はあればあるだけいい、じゃない。適材適所、使い勝手のよさがポイント。
収納が欲しい!という方の目的は、“いつもキレイですっきり片付いた家をキープすること”ではないだろうか?それならプランの際、漠然と「収納がたくさんほしい」と伝えるだけはダメ。
次の3ステップをしっかり押さえて、自分たちにぴったりの収納プランを作っていこう。
STEP.1 自分のタイプを知ろう ハンガー派?引出派?
いくら収納があっても、それが自分にとって使いやすい収納でなければ永遠に片付かない。例えば衣類の収納。何があるか一目でわかるハンガーにかけたい人もいれば、引出に収納したい人もいる。自分がどんなふうに収納しているか思い浮かべてみよう。
STEP.2 持ち物と収納したい場所を把握しよう
自分がどんなものを持っていて、どこに収納したいのかを考え、今、何が片付いていないかを書き出してみよう。収納は適材適所。そういう物の定位置を決めてやれば自然と片付くはずだ。整理する中で不要なものがあれば、新築を機に断捨離しよう。
STEP.3 収納<予算 費用対効果で考えよう
細かく仕切られた収納は結構高価だが、棚だけなら安くできるしフレキシブルに仕切れる。今持っている家具も捨ててしまわずWICやパントリー内に置けばまだまだ活躍してくれる。今後の生活や持ち物の変化、片付けタイプ、予算をふまえて収納を考えよう。
TOPIC 収納はどのくらいあればいいの?
収納も形式は様々だが、目安としては衣類だけでも1人1帖。他の物も収納するためには倍の2帖(約1坪)が必要だ。床面積に占める割合で言うと、12~13%程度が一般的。
間取りからわかる!キレイがキープできる収納プランニング①
収納プランニングで重要なのは、何をどこで使い、どこに収納するかを明確にし、必要な大きさ、量の収納を作ること。誰もが片付けやすいよう、使う動線上に収納を確保するのが基本だ。使い勝手のよい収納プランを実際の間取りでチェックしてみよう。
子ども部屋/クローゼット
1帖弱のクローゼットは成長と共に持物が増えてもカスタマイズできるように
寝室クローゼット
夫婦でも収納方法は違うもの。奥行91cm、約1畳の夫婦各自のクローゼットを設けた。棚やパイプだけのシンプルな作りで、使い勝手にあわせてアレンジできる
小屋裏収納
階段で上るタイプの小屋裏収納もあるが、こちらは2階の寝室から階段なしで出入りできるので出し入れが楽。5.1帖と広々で、年に数回しか使わない季節の物などが収納できる
間取りからわかる!キレイがキープできる収納プランニング②
玄関
玄関右に約1帖の土間収納を。普段よく履く靴は出し入れしやすいよう玄関脇に下駄箱を設けて
和室
約1帖の押入はお客様の座布団をはじめ、隣接するリビングで使う物もしまえる便利な収納。パイプを付ければ服もしまえる
トイレ
壁や手洗いカウンター下に収納棚を設け、トイレットペーパーや掃除道具を片付けて
リビング
デッドスペースを活用した91×91cmの収納。掃除機などがすぐに取り出せ、使えて便利
洗面・脱衣室
タオルや化粧品など、よく使うものは取り出しやすい棚に。洗濯機、干し場、収納を一直線に並べ、洗濯→干す→しまうを効率的に
キッチン
背面棚、1.7帖のパントリー、床下収納と収納たっぷり。勝手口から収納への動線も確保
お手本にしたい!岡山の部屋別アイデア実例
家族構成や住宅環境によって収納の仕方は十人十色!キッチン、リビング、玄関、寝室など、部屋ごとのいろんな収納プランをご紹介。先輩の実例を参考にしてみて
洗面・脱衣室
洗面台は小さな物があふれ、雑然としがち。物の定位置を決め、片付けやすい収納にすることで清潔感あるスペースに
リビング
広く見せたいから極力家具は置きたくないけど家族の物があふれて散らかってしまうもの。収納力のある和室を隣接、よく使うものは決まった収納場所を作ることで片付く
キッチン
生活感が出る家電・食器を隠したい!という人は背面収納、パントリーがおすすめ。勝手口のそばにパントリーがあれば家事動線も楽
玄関
住まいの顔とも言える玄関。来客用と家族用の玄関を分け、玄関奥に靴やベビーカーなど大型の物もしまえる大容量の土間収納を設ければ、いつもすっきりをキープできる
和室
リビングに隣接して設けることの多い和室。収納力たっぷりの押入でリビングも片付く。押入もタイプは様々。使い勝手で選ぼう
子ども部屋
子ども自身が片付けやすいように、持ち物の定位置を子どもと一緒に決めるのがおすすめ。成長につれて物も増えるので、収納は多めに確保しておこう
ウォークインクローゼット
WICは夫婦が各自で収納できるようわけるのが主流。広めに確保すれば、収納としてだけでなく身支度もそこでできてしまう
その他
奥行がある階段下や小屋裏の収納スペースには照明を付けておくと使いやすい。多目的に使えるユーティリティには造作棚の収納を
4ちょっとしたスペースも収納にできる!
居住空間を確保するためには収納に十分な広さがとれない場合も多い。そんな時に取り入れたいのが壁面や足元などを有効活用するアイデア。ぜひ取り入れてみて
壁にニッチや造作棚を作れば小物をディスプレイしながら収納できる。キッチンカウンターにラックを作れば散らかりがちな新聞や郵便物を片付けられる。カウンターの足元に棚や引出を置いたり、壁面に造作棚を設けるアイデアも。他の収納と同じく、基本は「使う場所に収納スペースを作ること」だ。
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