建てる前に知っておきたい 住宅性能の見極めポイント
性能の高い住宅とは、気密性、断熱性、耐震性、耐久性などに優れた住まいのこと。性能は高いに越したことはないけれど、どれだけ重要なのか、先輩たちの声を聴きながら考えてみよう。
TOPIC1.耐震性・耐久性
日本は地震大国と言われている。2004年の新潟県中越大震災、2011年の東日本大震災と震度7を越える地震も多発しており、これから建てられる家は巨大地震に遭遇する可能性もある。もしものときのためにも、「地震に強い家」を造っていくことが必要不可欠。
POINT 知ってる?「住宅性能表示制度」
地震に強く、長持ちする家の基準として「住宅性能表示制度」があげられる。法律に基づき客観的に評価する基準が定められており、耐震性、耐火性、耐久性、気密性・断熱性、防犯性の住宅性能を等級1~4で評価する。国土交通大臣が定めた「日本住宅性能表示基準」と「評価方法基準」によって判断されるため、相互比較が可能。特に「構造の安定に関する項目」は、耐震性、耐久性の基準になるので参考にしよう。
日本の住宅は築20年で価値消滅?
日本の住宅の建て替えサイクルは30年と言われている。先進国の中では大変短く、欧米などの1/3程度。欧米では、祖父が建てた家を父親が手入れし、その子がさらに手を加えて住み継いでいく。各世代で建て替えるよりも経済的で、環境にも優しい。各世代で住宅ローンを抱える必要がなければ、経済的にも豊かな生活が可能となる。家族に継承されない場合でも、アンティーク住宅として売買され、イギリスなどでは、築100AA年を超える住宅の方が新築住宅よりも高値で売買されることもあるとか。欧米での住宅市場は中古住宅が主流で新築市場はごくわずか。家は大切な資産なのだ。
一方、日本では築20年で建物評価が無くなると言われている。今後の年金を考えると、将来資産価値が高く評価される家の方が安心。
国も欧米並みに中古住宅市場を成長させることを目標としており、日本の銀行でもリバースモーゲージローンが始まった。簡単に説明すると、自分の家に住みながら年金のように毎月の生活費を銀行から受取り、最終的にはその住宅で精算する金融商品のこと。
一般住宅においては、自分の家を人に貸したい場合、貸した後に、借り主がいない間でも家賃が保証されるという「終身家賃保証制度」というものができている。具体的には一般社団法人移住・住みかえ機構が、認定長期優良住宅等の優良な住宅であれば、将来、あなたの家を家賃保証制度で借り上げてくれることを新築時に約束してくれるというもの。これからは住宅を資産価値として扱う準備が整ってきていることを示している。
TOPIC2.断熱性・気密性
夏場の熱中症や冬場の心筋梗塞・脳梗塞といった温度差による事故が増えている今、住宅内の温度差を無くす工夫が必要になってきている。LDKだけでなく、寒くなりがちな浴室やトイレにも注意しながら計画していくことが大切だ。
1日の冷房の使用時間と暖房の使用時間を考えても、夏場は時間帯によって過ごしやすいこともあるが、冬場は家にいる間、何らかの暖房器具を利用しているので長いはず。温暖な気候であっても冬場暖房を使用する地域では熱を逃がさない断熱性と気密性が重要になってくるのだ。
POINT 数値で分かる性能
C値とUA値は性能を知ることのできる指標のひとつ。数字が小さいほど良いとされています。ただし、数字の低さだけで性能の良さが決まるわけではないので、施工会社にしっかり確認しましょう。
C値(相当隙間面積)とは?
家の中で隙間がどの程度あるかを表す指標。家全体の隙間面積÷延べ床面積で、数字が小さいほど気密性が高くなります。
UA値(外皮平均熱貫流率)とは?
断熱性能を表す数値。家の内外の温度差を1度としたとき、建物の内部から外へ逃げる熱量の合計を外皮(外壁・床・天井・屋根・窓等)の面積で割ったもの。数字が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いといえます。
国から認定を受ける「長期優良住宅」
何十年経っても古さや飽きを感じさせないシンプルなデザイン、大地震にも耐え且つ室内の間取りが自由にできるような構造計画と構造計算がされており、冬も夏もとても快適な上、ほとんどコストがかからない家が「認定長期優良住宅」。認定を受ければ将来の資産価値も上がる。
長期優良住宅6つのポイント
①躯体のしっかりした長く住める家
「劣化対策等級3」
構造や骨組みをしっかりとつくる
②メンテナンスしやすい家
「維持管理対策等級3」
「維持保全管理計画」
内装や設備はメンテナンス・リフォームしやすいように
③地震に強い安心安全な家
「耐震等級2以上」
大規模地震に対し、倒壊しにくく損害を少なくする
④地域の街並みに配慮した家
「居住環境」
各地域の街並みに調和するよう配慮が必要
⑤地球にも家計にもやさしい家
「断熱等性能等級4」
断熱性能など、一定の省エネ性能を確保する
⑥暮らしやすい広さを確保した家
「住戸面積」
暮らしやすさに必要な最低限の広さが決められている
家の耐震・耐久・断熱・気密性能を上げるには大工事が必要となるため、建築時にしっかりと考えておく必要がある。資産価値の高い家づくりは建築時に少しコストが高くなる可能性があるが、ランニングコストや快適性、安心感、安全性、将来的な資産価値を考えると決して高くはない。今、目の前にあることだけではなく、将来を見据えた計画をしていくためにも、各社の性能を比較検討してみよう。
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「もっと調べておけばよかった…」~性能にまつわる 先輩たちのコゴト
もっと調べておけばよかった…
消費税増税前に建てたくて、急いで建築した。性能に関してはおまかせであまり検討しなかったが、住み始めて知った性能もあり、もっと調べておけばよかったな。
岡山市 Mさん
結露の掃除が毎日で大変
結露がひどくて毎日掃除しています。友人に相談したところ、「断熱性や気密性に問題があるのでは」と言われました。いろいろ調べてみると室内の温度差や換気に問題があったと判明。もっと早くから気にしていれば…と今になって後悔しています。
倉敷市 Tさん
興味を持てなかった自分に反省
建てた後で、耐震性能にさまざまな種類があると知った。建築基準法を満たしていれば、一定以上の安心はあるけれど、ある意味当たり前のこと。それ以上に自分自身が耐震性に興味を持って、積極的に調べておくべきだった。
倉敷市 Sさん
ニュースを見ると心配になる
外観や間取や設備にはこだわったけど、耐震性についてあまり特別に考えていなかった。地震のニュースを見るとちょっと心配。もっと真剣に考えておけばよかった。
岡山市 Oさん
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