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ねこと暮らす家を建てたいあなたに

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ねこを飼いたいひとが増えている

愛らしい表情やしぐさで私たちに癒やしを与えてくれる猫。近年、飼い猫の数は増加傾向となっていて、人気は高まるばかりです。
一方で「飼いたいけれど諦めている」という声も少なくなく、その理由の多くは「賃貸アパートやマンションに住んでいて、ペット禁止だから」というもの。あなたはどうですか? やっぱり、猫ちゃんを飼いたいけれど諦めている派ですか?
そしてマイホーム新築を検討しているなら、きっと「これを機にお迎えしたい」という気持ちもありますよね。

そんなあなたのために、ずばり「ねこと暮らす家」づくりのポイントをまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

 

◆知っていますか?「ねこは屋内飼育推奨」
ちなみに「動物愛護管理法」により、犬は放し飼いが禁止されています。猫については、犬と生態が異なるため、同法上は放し飼いの禁止はされていませんが、交通事故や怪我、感染症罹患や近隣とのトラブルなどから守るため、室内飼養が推奨されています。自治体レベルでも「岡山県動物の愛護及び管理に関する条例」「香川県動物の愛護及び管理に関する条例」に基づき、岡山県・香川県は屋内飼養推奨となっています。猫との暮らしを考えた家づくりは、実は大切なのです。


◆外に出してあげないのは、かわいそう?
「外に出してあげないなんて、かわいそう」と思えてきそうですが、その逆で、上に挙げられているような「危険」や「トラブル」から猫を守り、安全で健康に過ごしてもらうための配慮であり、飼い主としての責務のひとつといえます。

人に生活習慣があるように、猫には猫ならではの習性や行動パターンがあります。そんな猫に毎日を過ごしてもらう住宅は、人間の暮らしぶりを想定してつくられているもの。
でも、ちょっとした工夫をしてあげることで、猫にとっても快適に過ごせる家にできるのです。
設備などを後付けで設置するのもアリですが、家を建てる時に最初から「猫と一緒に暮らす家づくり」を考えておくと、愛猫にとっても人にとっても快適な住まいにすることができます。
これを「ペット共生住宅」といいますが、こうした住まいの形態が広まってきたのはまだごく最近のこと。具体的にどんなものなの?という方も少なくないかもしれません。

ここでは、そんな「ペットと暮らす家」のつくり方を見ていきましょう。

=^・ω・^= *「ねこと暮らす家」って、特別なつくりにしないといけない?*

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猫は人と比べて、体がとても小さいですよね。目線の高さも見えている景色も人とは違います。また、人間にとっては快適なフローリングも、猫にとっては歩きづらく、脱臼やヘルニアなど足腰を痛めてしまうことがあります。固い床は歩きにくいだけでなく、猫は人間と違って高いところへ登ったり飛び降りたりもするため、着地失敗や加齢による間接の弱まりなどにより、衝撃で怪我をしてしまう場合も。
「ねこと暮らす家づくり」の最初の一歩は、そういった「日々の暮らしにくさ」を取り除いてあげることです。具体的には、「猫用ドア(キャットドア)を設ける」「滑りにくい床にする」など。普通とは違う家になるわけではなく、ポイントをおさえた「猫仕様」を取り入れればいいのです。

また、床材を変えたり滑り止めコーティングをしたりすることで、床の引っかき傷やペットによる汚れも防止できるなど、猫に快適な仕様にすることで人もストレスなく暮らせるようになります。

近年はこうした「猫仕様」の商品も増えており、新築時に最初から組み込む、後付けで設置する、DIYするなど、選択肢は多種多様です。


~具体例~
●猫用ドア(キャットドア)を設置する
・最初から間取りプランに組み込む
・後から工事を依頼するかDIYで設置する
・工事不要タイプのものを設置する etc.
●床材を滑りにくく弾力のあるものにする
・クッションフロアにする
・コルクタイルにする
・猫用のフロアコーティングを施す
・タイルカーペットやジョインマットを敷く etc.


なお、天然無垢材の床は、樹種によって柔らかいものも堅いものもあります。また堅い樹種でも、メーカー独自の加工により滑りにくく傷が目立ちにくい床材もあります。
無垢材にする場合は、注意したい点があります。知らずに飼い始めると驚くかもしれませんが、猫ちゃんはよく嘔吐をします。もともと生態として、食事が丸飲みスタイルのため、胃の容量よりもたくさん食べ過ぎたりすると戻すことがあるのです。

また、猫といえばすぐその様子が思い浮かぶほど、体を舐めて綺麗にする「毛づくろい」をしますが、その際に抜け毛を飲み込むので、しばしば胃の中にたまった毛玉を吐き出したりもします(多くは便として排出されます)。また「スプレー行動」と呼ばれるおしっこをしてしまうこともあります。

それらの粗相は、引っかき傷と並んで床を傷めてしまいますし、特に無垢材の場合は汚れが染みになってとれにくくなることも。そういった傷や汚れがついても、愛猫との暮らしの証だからOKなのか、愛情は愛情として汚れるのは避けたいのか、自分たちが考えた上で環境をつくることは、飼い主自身の責務といえます。あとから猫ちゃんを責める気持ちになったりしないよう、しっかりと情報を集め、自分たちに合った選択をしましょう。

注文住宅を建てる場合は、依頼する工務店に希望を伝えて打ち合わせをするのがおススメです。トータルにみてあなたに合った形をきっと提案してもらえます。


◆大切なのは、猫も人も幸せに暮らせるよう責任を持つこと
このように、猫との暮らしを考えて環境を整えていくことが「猫と暮らす家づくり」。ここから、上記の例以外にも幾つか挙げていきますが、具体的な方策は他にもたくさんあります。大切なのは、考え方をおさえておくこと。

何よりも大切なのは愛情ですが、その他の面でも、飼い主には「動物愛護管理法」(動物の愛護及び管理に関する法律)に基づく責務があります。虐待や殺傷が罪になるのはもちろんのこと、
・種類や習性などに応じて適正に飼養すること
・感染症について正しい知識を持ち、予防すること
・終生飼養の徹底
・ペットが逃げ出さないよう必要な措置をとること
など、命あるものを手元におく上での責任を持つよう定められています。

環境省の飼い主向けパンフレットでは、動物にも生きていくために必要な基本的ニーズがあることを示しています。(※)
・生理的ニーズ
・環境的ニーズ
・心理的ニーズ
・社会的ニーズ
・行動的ニーズ

それらを満たすために飼い主が確保しなければならないものとして、「5つの自由」が挙げられています。(※)
・飢え・渇きからの自由
・痛み・負傷・病気からの自由
・不快からの自由
・恐怖、抑圧からの自由
・本来の行動がとれる自由

この「5つの自由」は、日本だけでなく国際的に認められている、ペット(動物)を適切に飼うための考え方です。
こういった面を踏まえながら、住まいをどう整えるかを考えていくとよいでしょう。

ペットを飼うことには、もちろんお金もかかります。毎日の餌代やワクチン接種・健康診断費用、治療費その他で、猫の場合一頭あたり年間約18万4千円強かかるとされます。(※)
ずっと飼い続けるためには、金銭面を計画しておくことも大切です。家づくりにおいても、予算面での無理は禁物。自分たちに合った選択で、猫ちゃんが喜び、人も快適に暮らせる、優しくあたたかな家づくりを目指したいものです。

 

※出典:「飼う前も、飼ってからも考えよう」(環境省) 
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2708a.html

=^・ω・^= *家づくりで考えたいポイント例*

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猫と暮らす家づくりで考えたいポイントとしては、「安全性・事故防止」「ペットの健康・ストレス対策」「人も快適であること」などが挙げられます。


<安全性・事故防止>

★吹き抜けの安全ネット、階段手すりの落下防止柵、
 階段の踏み台の隙間に対応した転落防止ネットなど

猫は高いところを好み、昇ったり飛び降りたりしますよね。着地能力も優れています。けれど当然、どんなに高くても大丈夫なわけではありません。また、足を滑らせるなどの事故で落下してしまうと、着地態勢を整えられず怪我をしてしまうことも。
そうした事故を防ぐ、柵やネットを検討してみましょう。お子さんの事故防止も兼ねられます。
柵など造作が可能なものであれば、工務店に相談することで、圧迫感の軽減やデザイン性なども考慮して造ってもらえることが期待できます。


<健康・ストレス対策>

★ペットドア/猫ドア
冒頭にも挙げた猫用のくぐり戸。猫は人用のドアを開けることができませんが、好奇心や独立心が強い動物なので、できるだけ自由に家の中を行き来できるようにしてあげたいもの。ドアの下部に猫ドアを設けてあげるのが主な解決策です。はじめから付いているドアを採用することもできますし、後付けでDIYできる猫ドアもあります。
「両方向に行き来可能/一方通行/ロック」などの便利な切り替え機能付きのものも。
屋外への出入りを可能にしたい場合は、他猫の侵入防止や防犯のため、愛猫につけたマイクロチップ、首輪タグなどの認証でロック解除可能なものもあります。


★キャットステップ、キャットウォーク
猫用設備の定番。上下運動を好む猫のための足場になります。運動不足やストレスの解消のためにも、ぜひ設けてあげたい設備です。
設置する際は、安全性に配慮しましょう。何よりもまず強度。そして十分な幅も必要です。あまり長さがあったり、滑りやすかったりすると、猫が走って落下事故につながることもあります。距離を短くしたり、滑り止めをつけるなど、必要に応じて工夫しましょう。
猫は視界が広く、薄暗いところでも人間より目が利きますが、視力自体はあまりよくないといわれています。下から可愛らしい肉球が見える透明な素材などは魅力的ですが、猫にとってはよく見えず危ない可能性もありますので、注意が必要です。
キャットステップやキャットウォークのそばに、窓や外部への開口・隙間があると、予期せず脱走してしまう場合がありますので、配置もよく検討しましょう。万一降りられなくなった時などに時に救出できたり、掃除しやすいなど、人目線での高さや位置のことも考慮しておきましょう。


<人の快適さ>

★珪藻土壁、調湿系クロス
冒頭に挙げた床の傷・汚れのほかにも、ニオイの問題はつきもの。また猫のフケや唾液に含まれる成分が乾燥して空気中を浮遊しアレルゲンとなって、人に猫アレルギーを引き起こすことがあります。
珪藻土は、調湿機能や消臭効果があり、空気中に漂う有害物質を吸着してくれます。このため、ペット臭やアレルゲンの低減が期待できます。その他、調湿機能や消臭機能を持つクロスなども。また、床にも消臭・抗菌仕様のクッションフロアなどがあります。

★壁の下方を腰壁にする
猫の手が届く高さまでを、爪が引っかかりにくい素材の腰壁にすると、爪とぎ対策や汚れ対策になります。
張り替え可能な腰壁シートという選択もアリ。DIYで張り替えを想定して設置する場合は、接着が強力なものだと綺麗にはがせないため、仕様をよく確認しましょう。

=^・ω・^= *ねこと暮らすための住宅設備*

=^・ω・^= *ねこと暮らすための住宅設備*の画像

一例として、下記のようなものが挙げられます。

 

★ペット用品収納兼トイレスペース
注文住宅の場合、収納に換気扇を設置し、猫用トイレ置き場に。扉に猫用ドアを設えておけば、すっきりと収められ、来客の目からも隠せます。

★全面を隠せる収納
キッチン収納などは、家電類も収めて全面を戸で隠せるつくりにしておくと、猫ちゃんが入り込んだりいたずらしたりすることを防止できます。空間をシンプルに演出できるのもメリット。

★出窓
人にとってはなんということもない一角ですが、猫には格好の日向ぼっこスペースになります。外を眺められるので猫の好奇心も満たしてあげられます。

★バリアフリー
床の段差をなくすバリアフリーを採用すると、抜け毛などの掃除が楽に。バリアフリーになっていれば、掃除ロボットを使うことも可能ですね。

★階段をできるだけ緩やかにする
将来、猫が年齢を重ねた時のことを考えると、階段の段差をできるだけ低めにし、傾斜を緩やかにしておくと、足腰への負担を軽減することができます。人にとっても体に優しいつくりですね。

★仕切り扉
猫が入っていくと危ない場所、入ってきてほしくない場所には、仕切り扉を設えるとよいでしょう。

★配線やコンセントの高さに配慮する
猫がじゃれたり噛んだりして感電してしまわないよう、工夫してみましょう。

ねこも人も心地よい住まいを

ねこも人も心地よい住まいをの画像

ねこと暮らす家づくりのポイントは、挙げればまだまだあります。何をどう選択するにしても、一番大切なのは愛情です。
我が家にやってくる猫は、きっと出会うべくして出会う絆で結ばれた、大切な家族の一員。ぜひ、猫も人も楽しく幸せに暮らせる住まいを考えてみてください。


「ステップハウス.JP」では、岡山県の工務店が建てた「猫と暮らす家」の実例を紹介しています。そちらもぜひチェックして、参考にしてみてください。

施工例一覧はこちら

 

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