性能UPリフォームのすすめ
相次ぐ地震を受け耐震補強工事の実施率が上昇するなど、注目度の高まる「住宅性能」。デザインはもちろん、目に見えない性能面のリフォームも考えたいもの。そのポイントを見ていきましょう。
~性能向上リフォームをすると…~
●築20年以上の中古住宅も、耐震基準を満たせば、住宅ローン減税が使える
●安心・快適に暮らせる
●住宅の資産価値を上げることができる
耐震リフォーム
建築基準法が改正された昭和56年(1981年)6月以前に建てられた住宅は、現行の耐震基準を満たしていないものがあります。その場合は耐震補強が必要になります。
ポイント:耐震性については早い段階で相談を
増築したい場合、耐震性の重要度は高いものになります。増築の規模により既存部分にも補強が必要になるなど、プラン自体に関わってきます。途中で気づいて計画変更を余儀なくされるといったことのないよう、初期段階で住宅会社とよく相談しておきましょう。
ポイント:「耐震等級2」以上が安心の目安
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耐震等級1…建築基準法の基準
耐震等級2…等級1の1.25倍の強度
耐震等級3…等級1の1.5倍の強度。災害時の支援拠点となる建物の耐震性能に匹敵し、
数百年に一度程度発生する大震災の1.5倍の力でも倒壊しない
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「耐震等級2」は長期優良住宅の基準となっているもの。この基準を満たしていれば問題ありません。最高等級の「耐震等級3」なら、さらに安心です。
ポイント:耐久性も忘れずに
建物を長持ちさせるためには、柱や梁などの構造体を点検し、傷みがあれば早めに補修しましょう。また換気が不十分だと結露し、カビや白蟻を発生させて家が傷みやすくなります。リフォーム前に小屋裏や床下などの換気を確認し、必要なら防蟻処理などの対策を取りましょう。給排水管等の設備は建物本体よりも耐用年数が短いので、水廻りをリフォームする際には、劣化状況を確認するのがよいでしょう。
耐震補強の6つの基本
耐震補強の基本は、下記の6点。これらを「強度」「量」「バランス」をおさえて取り入れていきます。なかでも「強い壁」をバランスよく増やし、地震の揺れに対抗できる建物にすることが大切です。
●強い壁を増やす
●バランスよく壁を配置する
●床や屋根を補強する
●柱・梁・筋交いなどを補強する
●基礎を丈夫にする
●土台や柱が腐らないようにする
省エネリフォーム
夏涼しく、冬暖かい住まいへ
「省エネリフォーム」とは、冷暖房の効率をよくするため、国が推奨する省エネ基準を目安として住宅を改修すること。経済的で快適な、我慢しない省エネを実現することにつながります。
ポイント:住宅が外気に接する面を断熱する
断熱材を入れる断熱改修を行い、窓は複層ガラスなどに交換するなどすると、建物の断熱・気密性が向上。建物自体のエネルギー消費量を減らし、省エネ性能を高めることで、少しのエネルギーで冷暖房でき、快適に生活できるようになります。温度差による体への負担やヒートショックのリスクも軽減できます。
ポイント:地域により断熱工事の基準は違う
日本は南北に長く、地域により気候が異なります。そのため地域によって目標となる省エネ工事の程度が異なってきます。住まいがどの地域に属しているのか確認し、適切な工事を行うことが必要です。
住宅の断熱工法には、壁の内部等に断熱材を充填する「充填断熱工法」と、躯体の外側に断熱材を張り付ける「外張り断熱工法」があります。目標とする断熱性能や予算にあった工法を確認しましょう。
優先度の高いリフォームに
合わせて組み込んでもOK
全面的な省エネリフォームは難しい場合でも、水廻り改善や間取り変更といった直接的な問題を解決する工事に組み込む方法もあります。例えば遮音性を高める二重サッシ化で、同時に断熱性もUPさせるといったやり方です。
バリアフリーリフォーム
家の中での転倒や階段からの転落など、住宅内での事故は少なくありません。バリアフリー化で家庭内事故のない安心な生活を確保することで、今から将来の暮らしやすさに備えておくことにもなります。
ポイント:年齢問わず、家族の誰もが住みやすい空間づくりを
「室内の段差をなくす」「階段に手すりを設ける」「トイレや廊下を車椅子でも使える幅に広げる」「浴槽をまたぎやすい高さのものに変える」等することで、家族みんなが住みやすい家にすることができます。
他部分のリフォームに
重ねるのが、合理的で割安
省エネリフォームの項目でふれたことと同様ですが、たとえば、手すりを付けるための下地合金は、耐震改修の壁の補強と重なります。他にも、床断熱改修であれば、段差解消も同時に行いやすいものとなります。このように、同時に実現できるものを上手く一体化させましょう。
性能向上リフォームとは「本当に良い家」をつくること
安心・安全でずっと快適に暮らせ、次世代に住み継げる住まい。そんな本質的な満足を実現できるのが性能向上リフォームであり、目的であるといえます。理想の空間やデザインを追求しつつ、自分達の暮らしにとって「本当に良い家」を、ぜひ検討してみてください。
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