高齢ペットの飼養管理②-2015.9.11更新-
犬の「老い」は、小・中型犬は8歳頃から、大型犬は6歳頃から見受けられます。「老犬」という枠に入れてしまうには早い年齢ではありますが、人は50歳頃には何かしらの老いが出ているでしょうから、それを犬の平均寿命に当てはめてみるとこのようになります。そ れでは老化減少を確認していきましょう。
①老眼/老化白内障(水晶体の中心部分が白く濁る病気)が見られる犬が多いです。両眼を比較して見て、白っぽく感じたら白内障である可能性は高いです。
②嗅覚の低下/犬の嗅覚は匂いの種類によって異なりますが、人より100万倍優れるといわれます。その優れた嗅覚が、徐々に低下してきます。中には好物の匂いを嗅いでも喜ばない程低下する子も。
③難聴/人と比べて犬は5~10倍の聴覚があり、人が感知できない高周波も聴き取れます。老化に伴う老齢性難聴はまず高音域が聞こえにくくなり、徐々に生活音も聞こえにくくなります。難聴が進行すると、飼い主が呼んでも反応しない程度にまでなります。
④被毛の退色/加齢とともに目や口周り等、顔の被毛が退色(白髪)が目立つと見た目の老いを感じます。体の被毛も徐々に退色しブラックだった子がグレーやホワイトに近い色になることも。
⑤動きの鈍り/食事や散歩に呼んでも、なんだか体が重い感じになります。若いときのように飛んだり跳ねたりしなくなり、喜びの表現が少なくなります。
⑥食事内容の変化/動きが鈍くなると基礎代謝が低下するので、脂肪やカロリーは控えめで良くなります。また体内の機能も衰えるので、消化吸収の良い良質なタンパク質は若い時より必要に。
⑦運動能力の低下/動きが鈍くなると、筋力も衰え、ますます動くことを嫌がります。若い時のようなペースで動けないので、散歩中も引っ張ったり長時間行なうなど、無理に行うことはストレスに。
⑧排泄能力の低下/排泄回数が多くなったり、決まった場所で出来なくなったりなど。腸内環境が衰えると便は固くて黒っぽい便秘気味だったり、軟便気味だったりと安定しません。尿も若いときのように蓄えることが出来ず頻尿気味に。我慢させず以前より多めに排泄の機会を与えると良いでしょう。
次回は老齢に伴う動物病院との付き合い方をお話します。