ペットの飼い主に対する法的責任-2014.11.14更新-
民法上、ペットは「物」の扱いとなっているため、ペットの飼い主のことを「所有者」、そのペットを一時的に預かってお世話をしている者を「占有者」(ご近所に世話をお願いした場合はご近所さん、ショップに依頼した場合はそのショップ)と言います。
民法718条では「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」と定めており、ペットの所有者のみならず占有者への責任も求めています。
例えば、散歩中にペットが人に危害を加えたり、人の財産(物)を壊したりした場合は、所有者又は占有者がその責任を負わなければなりません。
例えば先にちょっかいを出した人を噛んだ場合の飼い主責任はどうなるのでしょうか。
確かにちょっかいを出されなければペットが人を噛むということをしなかったかもしれないので、被害者にも非があると考えられます。
よって、人を噛んだという飼い主責任分から被害者による非の分を差し引いた責任が実際の飼い主責任分となります(これを過失相殺と言います)。
飼い主がペットによる事故を未然に防ぐように「相当の注意」、例えば、
・散歩中にはリードを短く持っていた
・人が近寄ってきたら「触らないで」などと注意をしていた
などの場合は、飼い主責任が軽減されます。
しかしながらそれを証明するものが必要になる場合があるので、相手(被害者)に「確かにそうしていた」「そう言っていた」と認めてもらえるようにわかりやすくオーバーアクションで示すことも必要。
散歩中の事故は、
・ロングリード(伸縮リード)使用時
・排泄の処理をして気が逸れているとき
・夜道の散歩
などに多い傾向が。
ペットによる損害は飼い主やお世話係りの責任を問われますから、慣れた道や時間帯の「いつもの散歩」であっても気を緩めず、自宅に帰るまでは「何が起きるかわからない」と思っておきましょう。