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初めての家づくりガイド 2 行事・検査

工事の節目で行なわれる儀式や検査。内容を理解して家づくりの過程を味わおう。

立ち合いたい工事のポイントと確認事項

地鎮祭

地鎮祭は、文字通り地の神を鎮めるという意味をもち、工事の安全を祈願するための儀式。住宅の場合は一般に神式が多く、地域の神社に依頼して神主に祓い清めてもらいます。大安、先勝、友引などの吉日を選び、午前中に行うのが一般的。建て主と家族に加え、設計者や施工者などの工事関係者が参加します。儀式の準備は施工者にお願いしますが、お神酒や洗米、塩、そして山の幸や海の幸などのお供え物は、建て主側が用意するのが通常です。そのほか、建て主が用意するものに神主や工事関係者へのお礼がありますが、金額や人数については事前に確認しておいたほうが無難です。お金のことに限らず、しきたりや神主の手配などについては、いろいろとわからないことが出てくるもの。地域によって違いもあるので、前もって工事責任者などに相談しておきましょう。

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上棟式

新しい家への祝福とともに、職人たちへのねぎらいと工事の無事終了を祈願する儀式。建前、棟上げともいいます。現在は棟梁が執り行うのが一般的で、地鎮祭と同じく吉日を選びます。上棟式は、建て方の後、棟木をあげるときに行います。祝儀については、地鎮祭同様、工事責任者に相談したほうが無難でしょう。建て主が用意するものはお神酒、米、塩と水。加えて、儀式後の宴会の料理やお酒、折り詰めなどを、近くの仕出し屋に手配しておきます。

参加する行事と建て主が用意するもの

敷地調査

ラフ設計作成の段階でハウスメーカーや工務店が調べてくれる場合もあります。敷地にかかわる法規制などを知っておくと役に立ちます。

地縄張り

地縄張りは建物の配置を決めるもの。ふつう、地鎮祭のあとに行われます。敷地の境界線と境界杭の位置、隣地境界線と建物との間隔、道路と玄関の位置関係なども確かめておきます。

上棟前後

柱や梁、土台などについて説明を受け、材料の寸法や材種などを確認します。いずれ内外装材に覆われてしまう場所だけに入念にチェックしておきます。

竣工検査

内外装に傷や汚れがないかなどのチェックに加え、建具の開閉動作や設備機器の作動状況、水まわりの排水状況などを確認し、使い方の説明を受けます。補修工事などがあった場合は、補修箇所と補修完了期日を書類に記載して相互に交わしておきます。

一般的な儀式の流れ

地鎮祭
1.修祓の儀(しゅうふつのぎ)・降神の儀(こうしんのぎ)
神主のお祓いを受ける
2.献饌の儀(けんせんのぎ)
お神酒の瓶子(へいし)のふたをとってお供えをした印とし、その後お神酒を盛り土にかけて清める
3.祝詞奏上(のりとそうじょう)
神主が祝詞を奏上する
4.刈初めの儀(かりそめのぎ)・穿初めの儀(うがちぞめのぎ)
鎌をもって草を刈る所作を設計者が、鍬をもって土を掘る所作を建て主が、鋤をもって土をすくう所作を施工者が行う
5.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
神主から玉串を受け取り、神前に捧げ、二拝二拍手一拝して戻る。建て主、建て主の家族、設計者、棟梁の順に行う
6.撤饌(てっせん)
神主が瓶子のふたを閉め、祝詞を奏上する
7.神酒拝戴(しんしゅはいたい)
儀式の後、お酒と酒肴で祝う

上棟式
1.棟木に魔除けの飾りもの「幣串(へいぐし)」や「弓矢飾り」を鬼門の方向に向けて立てる
2.建物の骨組みに板などを渡して祭壇をつくり、野菜や穀物、お神酒、洗米、塩などの供え物をする。棟梁が祭壇に二拝二拍手一拝する
3.棟梁が四隅の柱の根元に洗米と塩、お神酒をまいて清める
4.残りのお神酒を茶碗についで全員で乾杯する

※儀式の流れは地域の習慣や神社により異なります。また簡略化して済ませる方法もあるので、事前に打ち合わせをしておきましょう。