さほらぼ　by　佐保建設　建築実例詳細　　暮らしの営みに心地良く寄り添う　閑麗なる山採りの庭

慌しく朝の家事ごとを終えてダイニングチェアに腰を下ろす。ふと顔を上げると、庭の山採り木が、清々しい春の風をとらえてしなやかに揺れるのが見える。光と影が落ちるシラス素材の塗り壁の奥に緑の揺らめきがみずみずしく浮き立つ早春の庭は、まるで一枚の絵画のように美しい。陽光に誘われて縁側に向かうと、膨らみはじめた蕾の向こうに広がる山の稜線。どこからともなく聞こえてくる小鳥達のさえずり。木々の合間から入り込む新しい季節の息吹が、その暮らしが豊かな自然の中にあることをそっと教えてくれている心地がした。