株式会社 デザイナーズハウス木屋 一級建築士事務所　建築実例詳細　　暮らしの変化に寄り添う サ...

　通学・通勤を考えて立地を決めても、子どもはいずれ巣立つし、職が変わることもある。子ども部屋が必要になるのはせいぜい10年程度で、進学・独立後は家事負担の徒労だけが残される。そんな刻々と変わりゆくライフスタイルに合わせてフレキシブルな暮らし方をかなえてくれるのが、この平屋の家だ。対面キッチンの立上がり壁を抑えて一体感を高めたＬＤＫをメイン空間に、個室は２室のみのシンプルな間取り。２室に区切れる約10帖のフリースペースは、子ども部屋が不要になっても、ゲストルームや書斎、ホビールームにアレンジして余すところなく活用できる。
　一方で、土手沿いの南向きの角地の利はいつまでも失われることはない。天井いっぱいの大開口には土手の緑と青空が鮮やかにきらめいて、慌ただしい子育てのさなか、束の間の休息を、人生の余暇のぜいたくなひと時を、みずみずしく心地よく彩り続けてくれる。ささやかな日々を折り重ねたものを人生と呼ぶのなら、今日も明日も快適が続くその安らかさこそ、幸福な人生の軌跡となる。