コンフェット 株式会社　建築実例詳細　　ここにしかない 豊かさを大切に

　清らかな用水が流れ、のどかな里山の広がる岡山市北東の郊外。森の緑が徐々に濃さを増していく小道の途中、豊かな木々に覆われてМさま邸は立つ。とりわけ大きく茂る２本の梅の木は元々ここにあったもので、当地を訪れたМさまは梅の木と目の前に迫る山を見て、このロケーションを存分に生かす自邸の構想を得た。
　黒い玄昌石が敷かれた玄関内は、明るい庭先とのコントラストもあって、ほの暗く静謐な印象。板壁の裏に回るとらせん階段があり、天窓から降る光に導かれて２階へ。上がると視界は一気に開け、窓いっぱいの鮮やかな緑が目に飛び込んでくる。２階をメインの生活空間としたのは、木々の梢がもっとも美しく映える高さに目線を合わせるため。ダウンフロアのくつろいだリビング、のびやかな勾配天井のダイニング、そしてすがすがしい北面の洗面室。それぞれの窓は天地のラインをぴったりとそろえて連なり、室内のどこにいても広々とパノラマの風景を映す。　
　早春にはかわいらしい紅白の花に心を癒やし、初夏には青い実をもいで梅酒を仕込む。移りゆく四季とともに営まれる、穏やかでぜいたくな暮らしがここにある。