株式会社 ミナモト建築工房　建築実例詳細　　緑豊かな未来のために自然とともに暮らす家

　南米に伝わる民話「ハチドリのひとしずく」。火事になった森に小さなハチドリが1滴ずつ水を運ぶ、その「非力でも、今できることをコツコツとする」精神を受け継ぎ、この家は生まれたという。自然の力を取り込む窓、長く住み続けられる可変性の高い間取りなど、豊かな環境を未来に残していくための、さまざまな工夫が提案されている。敷地に対して斜めに振って建つのは、隣家との視線をずらすとともに、LDKを真南に向けて効率的な通風・採光を図るため。リビングはそのままデッキへとつながり、その周囲にはメダカの泳ぐビオトープがつくられて、まさに自然と寄り添う暮らしを体感させてくれる。2階は32.7帖に及ぶフロア全体がひとつながり。柱や壁はほとんどなく、構造材もむきだしという素地のままの空間は、暮らしに合わせてどのようにでも替えられる「スケルトン・インフィル」住宅を提案するものだ。これを実現するには構造面での信頼性が不可欠で、鉄骨造のテクノロジーを木造に取り入れた「SE構法」を採用し、耐震等級3・長期優良住宅の認定も受ける。「強く長持ちする家は、資産価値という点でも将来にわたって大きな安心となるはずです」と、担当の青江さんは語る。家じゅうどこにいても、その場所ごとに届けられる心地よい光と風。広いデッキでせせらぎの音に涼み、菜園では豊かな井戸水で野菜がすくすくと育つ…。自然の恵みを五感で感じて暮らす喜びに、この家は気づかせてくれる。