株式会社 木絆　建築実例詳細　　木の香りと風が通り抜ける家

　茶屋町の住宅街の一角にシンプルながらもどこか目を引かれる一邸。味わいのあるシラスの外壁に緑が寄り添い迎えてくれ、室内はほっこりとした優しい空気に包まれる。
　ただ自然素材を使用しているだけでは得られない心地良さと空気感が広がっているのは“自分の居場所”があるからかもしれない。例えば、縁側では庭を眺めながらお茶を楽しんだり、吹き抜けに面した和の癒し処ではごろんとしたりと、ほっと休まる場所がある。そこに自然素材のやわらかな肌触りや木の香りが相まって特別な場所になるのだ。「仕事や子育てでストレスをかかえ、緊張した心を癒す場所が“我が家”であってほしい」と願う設計士の守屋さんの想いが伝わってくる。
　もう一つこの家を語る上で忘れてはならないのが、「パッシブ設計」。季節に応じて太陽の熱や光や風を上手に取り入れられるように、窓の位置や大きさ、軒の出が計算されている。無垢材の香りをのせて風が室内を心地良く通り抜け、その風に心と身体が解きほぐされていく。自然を味方にし、細部まで考えられた「パッシブ設計」。本当のやすらぎがそこにはあった。