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知っておきたい 住宅性能の用語 基礎知識(3)~耐震性~

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 「耐震性」とは文字通り、住宅の地震に対する強さのことです。耐震性が高いほど、損傷や倒壊のリスクが小さくなり、安全性が高まります。
 耐震性を高める上で重要なのは、「地盤」「基礎」「構造」の3点です。

 ひとつずつ見ていきましょう。

地盤

地盤の画像

 地盤とは、建物を支える基礎となる土地のことで、地面から深さ約100mまでの部分のことをいいます。上に建てる建物の重量を支えられるだけの強度が必要となります。なぜ強度が必要なのか──地盤の強度が足りないと、建物が不揃いに沈み込む「不同沈下」を起こしたり、地震の際には地盤が一時的に液体のようになってしまう「液状化」が発生したり、建物が倒壊したりする危険性があるのです。

 そうならないために、住宅を建てる際には事前に「地盤調査」を行い、強度を確認しておきましょう。建築してもらうことにした住宅会社に依頼し、手配をしてもらいます。

 調査により軟弱な地盤とわかった場合には、地盤改良工事を行います。改良工事にはいくつかの種類がありますが、地盤の状況によって行う工事は異なります。
 気になる改良工事費用は、状況や工法、建物の床面積等によって異なりますが、数十万円から100万円程が目安。場所によってはもっとかかることもあります。決して小さくない金額なので、あらかじめ予算に組み込んでおくことが必要です。

基礎

基礎の画像

 地盤の安全を確保した後、その上に築くものを「基礎」といいます。上の画像を見ていただくとわかるとおり、建物を支える土台部分です。
 基礎には「布基礎」と「べた基礎」があります。


◇布基礎…家の土台部分(外周部分と間仕切り部分)に逆T字型の鉄筋コンクリートの基礎を設置します(上画像参照)。

◇べた基礎…布基礎に加えて床下全面にも鉄筋コンクリートの盤面を作り、建物の重さを底板全体で分散して支えます。


 どちらの基礎にするかは、地盤の状態や建物の構造・工法、規模(重さ)などにより決定されます。木造住宅の場合は、現在は「べた基礎」が一般的です。鉄骨系のプレハブ住宅などの場合は「布基礎」が多く採用されています。

構造

構造の画像

 建物の構造には、木造軸組工法、2×4工法、鉄筋コンクリート造、プレハブ造など、さまざまな工法があり、構造の支え方がそれぞれ異なります。
 たとえば、日本で昔から用いられてきた木造軸組工法は、柱と梁を組み合わせて接合部分を金物で補強し、壁の中に筋交いを入れた耐力壁で地震の揺れに持ちこたえる耐震構造となっています。ちなみに、「木造軸組パネル工法」というのは、工場生産した筋交い入りのパネルを用いるものです。
 また、壁の中に制震装置を設置して振動を吸収させたり、建物の下に免震装置を取り付けて地震の揺れを軽減する工法などもあります。それぞれにデメリットやメリットがあり、予算にも関わってきますので、まずはしっかりと調べてみましょう。

参考:主な構造・工法と特徴

<木造>

●木造軸組工法
柱、梁、土台を木の軸組で構成する工法。開口部が大きくとれ、増改築にも対応しやすい。さまざまな立地や敷地条件に対応でき、自由度も高い。

●木造軸組+パネル工法
軸組工法の設計の自由度を生かしながら壁式工法の長所である高い機密性も実現。より頑丈な構造体をつくりあげることができる。

●2×4工法(枠組壁工法)
枠組材と構造用面材により6面体を構成した壁式の工法。プレハブ方式のツーバイフォーユニット工法もある。

●木質パネル工法
2×4工法と同様、耐力壁で建物を支える工法。木質パネルそのものが耐力壁を構成。木質系プレハブ住宅や一部の輸入住宅に採用されている。


<鉄骨造>

●軽量鉄骨軸組工法
軽量鉄骨で柱、梁、土台などの架構をつくる工法。地震や風による水平方向の外力から建物を守るために筋交い(ブレース)が必要。

●軽量鉄骨パネル工法
軽量鉄骨で軸組を構成し、面材を張ったパネルを組み合わせる工法。鉄骨系プレハブ住宅の代表的な工法になっている。

●軽量鉄骨ユニット工法
部屋またはスペースの一部など構造的に自立した鉄骨造のユニットを工場で生産し、これを現場で組み立てる工法。

●軽量鉄骨ラーメン工法
中・高層の建物に多く見られる工法で、材と材が剛接合によって固定されているのが特徴。大空間の確保や内部間仕切りの変更が容易。


<鉄筋コンクリート造>

●ラーメン工法
鉄筋コンクリートの柱と梁で構成されている工法。設計の自由度が高く、広く開口部や大空間も可能。

●壁式工法
室内に柱や梁が見えないので、実質的に部屋が広く使え、遮音性が高い。主に低層の戸建て住宅に用いられることが多い工法。

●プレキャストコンクリート(PC)パネル工法
工場生産されたコンクリートパネルを現場で接合する壁式工法。コンクリート系プレハブ住宅に採用されている。

安心して頼れる住宅会社と出会いましょう

 ここまで、主な用語の基礎知識をみてきましたが、いかがでしたか?
 一番最初にふれたように、省エネ住宅義務化からの必要性という面もありますが、大切なのは、住宅性能を高めることで、快適に長く安心して住まえるようになるということです。

 とはいえ、自分たちでどこまでわかるかは、心配なものです。建築を依頼する住宅会社に相談したり、お任せしたりするものが多いでしょう。
 そこで、住宅会社選びが大切になります。自分たちとフィーリングがあい、気軽に相談できて、住宅性能についてもしっかりとした知識・実績をもっている会社と出会うことが大切です。

 住宅会社の建築例を見てみることはもちろん、もっている技術や得意な分野、相談・サポート体制といった情報も集めましょう。

 

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